「ま、まさかウチの子が・・・・」
今日は親としてドキッとする内容です。
「生まれてからこれまで息子を何度も叱ったことはあったが、暴力を受けたことなんて…あんなに従順だったあの子が…」
可愛い息子から暴力を受けてしまった父親母親は必ず大きなショックを受けます。
そして、どうしてよいか分からず途方に暮れてしまうでしょう。時間が解決してくれるものではありません。時間が経ってもお互いにギクシャクした関係は残ってしまうでしょう。見守ることが父親の役目だなんて思ってはいけません。その見守りこそが息子の暴力を助長しているかもしれませんよ。
時間よりも有効な解決策を試してみませんか?父親だからこそできることがあるはずです。
ここでは、暴力を振るってしまう子供の心理、親の取るべき対処、そうならないために小さいうちからできる関係作りについて書いています。今の段階から子供と向き合う姿勢の参考にしてください。
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息子が暴力を振るう背景
子供の家庭内暴力には必ずその背景に何かあります。暴力を振るってしまう子供は中学生が最も多く、次に高校生、小学生と言われています。また、その性別は男の子が圧倒的に多く、女の子の4倍以上だという調査結果もあるそうです。つまり、息子を持つ親御さんは息子の暴力に悩まされる日が来るかもしれないと心して読んでいただきたいです。ここでは暴力を振るってしまった動機、暴力を振るってしまう子供の特徴、家庭環境に注目していきます。
動機
1、両親への仕返し
多くの動機がこれに当たります。親の過干渉、子供への過度な期待、躾などの親の態度への反発から暴力を振るってしまうケースが多いです。
2、理由なし
原因が分からずイライラしてしまう、親のやること全てが気に障るなど特定の原因がないこともあります。もしかしたら本人は理由はないと思っていても、気づいていないだけで原因がある場合もあります。
【関連記事】二十歳で反抗期は困る!反抗期はいつまで?反抗期の年齢や時期は親の接し方次第だ
暴力を振るってしまう子供の特徴
- 真面目、内気、大人しい
- 家庭外では他人に対して従順で自己主張が乏しい
- 神経質
- 友達が少なく学校で孤立してしまいがち
- 非行に走ってはいないが生活習慣が乱れている
親の期待通りに育てられ、素直でよく言うことを聞く手のかからない子供が突然暴力を振るうという事例が多くあります。親の期待を一身に受ける傾向にある長男長女、もしくは一人っ子が多いと言われています。
しかし、素直でよく言うことを聞く子供が突然暴力的になることはありません。今までは親の強い期待や意思が子供の反抗心をねじ伏せていただけなのです。その子供の反抗心や不安定な思いが思春期に表面に出たということです。
家庭環境
1、母親が子供に過干渉だが父親は子供に無関心(またはその逆)
母親が子供へ過度な期待をする、または干渉しすぎることが重荷に感じられてしまいます。また父親の無関心により母親から受ける過干渉を相談できないことも子供がストレスを溜め込んでしまう要因なのでしょう。
2、両親の不仲
母親が息子の暴力に悩んでいるのに、父親は「お前の言い方が悪いからだ。」「お前の躾が悪い。」と母親だけを悪者にしているような夫婦は良くありません。父親が母親のことを見下していると、息子は潜在意識下で「母親には何をしても良いんだ」と息子も母親を見下してしまうこともあります。
母親の方が息子より力が弱い場合が多いので、暴力を振るう対象が母親となりやすいのです。母親は息子に暴力を受けたというショックと、やり返したら虐待になってしまうのでは、やり返すことで息子が逆上して暴力がひどくなるのではないかという恐怖から手を出せなくなってしまいます。
3、親離れできず、子供が親に対して強い依存心や甘えがある
例えば、朝寝坊したのは親が起こさなかったせい、学力が低下したのは親のせいだと考える子供がこれに当たるでしょう。子供に不都合なことがあるとすぐ親のせいだと考えてしまう子供が、その不満の原因である親に暴力をしてしまうことは少なくありません。「子供を甘やかしてきたツケが回ってきた」なんて言われると自業自得なのかと自分を責めてしまいますよね。
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親だけが悪いなんてことはない!息子の暴力と結びつく3つの要因
「息子の暴力は全て親の責任なのか」と自分たちを責めてはいけません。小学生~中学生ともなると子供の世界が確立しています。親がどうしようもないことがたくさん関連しているのです。ここでは大きく関連している3つの要因をご紹介します。
1、社会的要因
対人関係の疎遠、両親の離婚、共働き、インターネットやスマホによる暴力シーンへのアクセスが簡単にできる、受験戦争
2、心理的要因
親からの虐待、学校でのいじめ、事故、受験失敗
3、精神疾患
統合失調症、強迫障害、精神遅滞、多動性障害、うつ病
これは言ってはいけない!NGワード
息子がある日突然暴力をふるい戸惑う父親は多いことでしょう。どうしたら良いか分からず、とりあえず母親に任せてみるという人もいるのではないでしょうか。母親もどうしようもないため父親に「あなたも何とかしてよ!」と助けを求め、父親らしい言葉をかけなければと思った場合に気を付けたいことがあります。言おうとしているその言葉がNGワードだとかえってひどくなることも。以下の点に注意しましょう。
1、見守ろう
「見守ろう」で改善することはありません。それは現実逃避とも捉えられます。問題に向き合う勇気と努力が必要です。見守っているうちに暴力や引きこもりが悪化してしまう恐れがあります。
2、常識論
「そんなことして何になるんだ」「暴力を振るう人間は最低だぞ!」という常識論は逆効果となります。
3、感情的な対応
大声を出している息子に「うるさい!近所迷惑だろう!」物を投げて壊している息子に「勿体ないじゃないか!やめなさい!」という感情的な対応も息子の感情を逆撫でしてしまうでしょう。
4、過去の話
「昔はそんなことしなかったじゃないか」「前はもっと素直で大人しかったのに、どうしてそうなったんだ?」などと昔の話を持ち出すことは避けましょう。現実に起こってしまったことは息子にも親にもどうしようもありません。今何ができるかを考えましょう。
5、理想論
父親である男性はどうしても「男だったらこんなことで暴力に流されるな!」「自分より弱い母親に手を出すなんて男のすることではない!」と理想論を語ってしまいがちです。自分の息子がこんなに弱い人間なはずはないという思いがそうさせるのかもしれませんが、息子の感情を逆撫でする言葉であると認識しましょう。
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あなたの息子はどのステージ?暴力の程度別5ステージ
- ステージ1、自制できる暴力…物を投げる、大声を出すにしてもどこかで自制している
- ステージ2、いやがらせ…両親の大切にしている物を壊す、捨てる
- ステージ3、破壊的暴力…窓ガラスを割る、扉や壁を殴る蹴るなどで壊す
- ステージ4、対人的暴力…両親への暴力、一度怒ると自制できない
- ステージ5、強迫プラス暴力…暴力に加え法外な要求をしてくる、要求が通らないとナイフや包丁などで脅す
これらのステージに応じて対応が変わります。ステージ5ともなると、それはもう警察へ被害届を出す、子供と別居することも視野に入れなくてはなりません。子供の精神状態によっては、子供を精神科へ連れて行かなくてはならないことも。
しかし、子供の発達上の過程で起きていると判断された場合、精神障害ではないため医療が関われないケースが多いです。話をして「大変ですね」と片づけられることもあります。そうなると親はどこに相談すればよいのでしょうか。児童相談所など第三者に介入してもらい、家庭内の密室で問題を抱え込まないことがポイントです。
風通しの良い家に!
家庭内暴力は子供が親にしてしまう暴力のことです。つまり、家庭内で起きているのであって、他人に暴力を振るうことではありません。他人にまで暴力行為を行うとそれはまた別の問題となります。家庭内で起こるのであれば、家庭内という密室にしてしまってはいけません。
逆に家庭外の力を借りれば、状況は今より悪い方へ向かわないのではないでしょうか?
具体的には、息子を外に連れ出す、来客の機会を増やす、親も出掛けて息子と少し距離を置くなどしてみてはいいかがでしょうか。息子の暴力のステージによっては難しい場合もあります。暴力のステージが低いうちに外出して不満やストレスを聞き出しましょう。
「理由はない」と言っても話を聞くと原因がみえてくるかもしれません。しかし、小中高生という思春期の時期はどれだけ息子の話を聞いて受け入れても息子の苛立ちが治まらない時もあります。
むしろ、そういったやり場のない苛立ちのほうが多いのかもしれません。息子だって暴力が悪いことくらい知っています。怒りを暴力で発散したかったわけではないのです。自分より力の弱い母親を殴ることなんてしたくなかったでしょう。しかし、自分の苛立ちをコントロールできず、暴力に至ってしまったのではないでしょうか。この抑えきれない苛立ちを父親に止めてほしかったのではないでしょうか。
殴られた母親も痛みを抱えますが、殴ってしまった息子の心の痛みも相当大きいはずです。殴ってしまった罪悪感と止まらない苛立ちに苦しんでいるかもしれません。そのような状況では家で真面目に話し合うことはできないでしょう。まずはその家から一歩外に出て気持ちを落ち着ける必要があります。
もし、子供の存在が恐怖となってしまっているようなら、第三者に介入してもらう必要があるでしょう。子供の精神状態によっては精神病院への入院も余儀なくされることもあります。そこからは本当に長く険しい闘病生活が始まります。そうならないためにも早期に手を打たなければなりません。
父親よ!育児に参加せよ!
父親の存在はとても大きいです。仕事をしてお金を稼ぐことだけが父親の役目ではありません。父親である以上、子育ては必ずしなくてはいけないことです。時には仕事より優先させる覚悟を必要とします。仕事は他人に任すことができる、引き継ぐことができますが、子育ては他人に引き継ぐことはできません。
しかし、父親だからと変にプライドのある態度ばかりとるのもよくありません。高圧的な態度で子供が言うことを聞かないと力でねじ伏せようとするなんてことは間違ってもしてはいけません。かといって子供の気を引こうと子供の希望ばかり聞いているような便利な父親でもいけません。子供が暴力やキレることで欲しいものが手に入ると勘違いしてしまうかもしれませんからね。大切なことは子供を自立させるためにサポートし、見守りつつ正面から向き合うことです。手を出し過ぎると過干渉になり、手を出さなさすぎると無関心になる。子育てって難しいですね。
まとめ
突然息子が暴力を振るったら…ショックですよね。何が起こったのか分からなくなるのでは?息子は理由ない怒りや両親への反発心から苛立ちを溜め込んでしまいがちです。今まで親のいうことを聞いて反抗なんてしたことのないような子供ほど不安やイライラを心に溜め込んでいる可能性があります。そのような子供が突然感情を爆発させ暴力をおこなってしまうのです。
親だけが悪いわけではなく、
- 社会的要因、
- 心理的要因、
- 精神疾患
などが複雑に絡み合っているので親にはどうしようもない場合もあるのです。
見守るという現実逃避、常識論を語る、感情的な対応をする、過去の話をする、理想論を語ることは事態を悪化させる可能性がありますので避けたほうが良いでしょう。
息子の暴力の程度がどのステージかによって親がとるべき対応は変わってきます。ひどいときは警察に被害届を出し、息子を精神病院へ入院させる必要もあります。息子を外に連れ出す、来客の機会を増やす、場合によっては児童相談所など第三者に介入してもらいましょう。家庭の問題だからと対応を母親だけに任せるのではなく、父親も子育てに参加し、育児の大変さをしっかり感じましょう。反抗期からくる暴力であれば終わりは来ます。しかし、その時期の父親の対応を子供はしっかり記憶しています。将来息子が父親へ無関心となったら、それはこの時期の父親の対応が原因なのかもしれませんよ。
今回は、結構シリアスな内容ですが、子供が小さいうちの関わり方が、中学高校と大きくなった時にも影響してきます。子供とはいつでも真剣に向き合い、小さい子供だからと強い口調や、力で押さえつけるのではなく、一人の人間として承認、尊重して付き合っていく姿勢が、子供の人への接し方を育みます。
小さい子供の時から、子供の将来の自立を考え、遊ぶときも叱るときも教えるときも常に真剣に向き合って行きたいものですね。
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