育児放棄の原因と自分の子供を好きになれないこんな理由

育児放棄の原因と自分の子供を好きになれないこんな理由
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育児放棄されると、子供の心に悪影響

テレビで育児放棄の悲しい現状を取り上げられていると「なんでこんなことを…」と思ってしまう反面、「自分も育児放棄をしてしまうのでは…」と不安に思う経験がある人も多いのでは?

原因は至るところにさまざまな形で存在しています。仕事で残業が続き、ママが調子が悪くて寝込んでる。自分が家事・育児をすべてやる期間が長くなってきて、毎日寝不足が続いて疲労困憊。自分も熱がでてきて体調が悪くなってきた。このままではヤバイ。そんな時なのにパパだけだと子供がなかなか泣き止まい、言うことを聞かなくてイライラ・・・。

私なら仏の心100%で子供に接する自信はありません。

可愛い我が子ですが、時に憎らしく邪魔な存在に思える時も正直ありますね。こんなこと思ってはいけないとわかっているけれど。育児放棄をする可能性がゼロの人はいないのです。

自分の子供が好きになれない。育児放棄をしてしまう原因についてまとめてみました。人は知らないことに不安を感じストレスを感じます。どういったことが原因になるのかを知っていれば、未然に最悪の事態は防げると思っています。この記事を参考に出来ることをしていきましょう。

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育児放棄は虐待の一種!

育児放棄とは保護者がその子供に「適切な養育」を行わないことです。ネグレクトとも呼ばれていて、テレビでこの言葉を耳にすることもありますよね。つまり原因に関係なく、適切に子どもが養育されていない状況があれば、全て育児放棄と考えられるのです。

「児童虐待防止法」にも育児放棄が虐待行為であると位置づけられています。

  • 子供に食事をさせない、
  • 病気の治療をしない、
  • 通学させない、
  • 子供を無視する、
  • 子供に無関心で何もしない

などさまざまなものがあります。

育児放棄は暴力と同じく立派な虐待行為であり、子供の心を傷つけ、のちのちの人格形成にとても大きな影響を与えてしまうのです。

 

育児放棄の種類

育児放棄(ネグレクト)は以下5つの種類に分けることができます。

1、一般的ネグレクト

食事を与えない、オムツ替えや洗濯をしない、子供が生きていくうえで必要不可決である衣食住の衣食にあたる部分を完全に放棄してしまうことです。

 

2、医療的ネグレクト

明らかに子どもの具合が悪い状態なのに病院へ連れていかず、そのまま放置してしまうこと。適切な処置を施せば助かったはずなのに命を落としてしまうという場合もあります。

 

3、教育的ネグレクト

子供に義務教育を受けさせないこと。子供が学校に来ないとなると地域の教育機関から登校するよう促されますが、それさえも無視して子供を家に閉じ込めてしまうことです。

 

4、情緒的ネグレクト

子供の要求や言動に対して一切無関心になること。ネグレクトの中で最も周囲が気づきにくく、親自身も自覚がない場合が多いようです。子供はアダルトチルドレンになるといった悪循環を生み出してしまいやすいです。

 

5、保健ネグレクト

必要な保健的ケア(予防接種や定期接種)を一切受けさせないことです。

 

これらは成人した大人が通常の生活を維持するために必要な行為を行う意欲・能力を失い、自己の健康・安全を損なうことをさします。

またこれらのネグレクトには消極的ネグレクトと積極的ネグレクトに分けられます。

消極的ネグレクト

保護者がお金を持っていなかったり精神の病や知的障害を抱えていたり、極度に育児への知識が不足しているなどの理由で育児の時間を取れないことです。

 

積極的ネグレクト

経済的にも時間的にも問題なく、かつ育児に必要な最低限の知識もあり、十分に育児ができる状況にありながら何らかの理由で育児をしないことです。

 

育児放棄が子供に与える影響

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育児放棄をされて育った子供はこのような影響を受けてしまう可能性があります。

1、人間関係の構築が苦手

成長しても友達を作れない、人の気持ちに鈍感な大人になってしまう。

 

2、オキシトシン不足による低身長

幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の上昇がみられなくなってしまうことがあります。他人との親近感や信頼感を増やす働きを持つオキシトシンが不足してしまうことで、対人関係に支障をきたす可能性も考えられます。これが原因で低身長の傾向があると言われています。

 

3、知的発達に問題

子供に必要な刺激を与えないことが原因や親から愛情が与えられないことで、子どものほうが自分を閉ざしてしまい知的発達に問題が出てしまうことがある。

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育児放棄をしてしまう原因

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育児放棄をしてしまう原因は・・・

ネグレクトが引き起こされる原因として以下のようなものがあげられます。

  • 貧困
  • 薬物
  • アルコールの乱用
  • ギャンブル依存
  • 精神障害
  • 病気、障害
  • 片親

 

育児に対するストレス

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子供は小さい時には昼夜を問わず泣いてしまい、子供にかかりきりになってしまう。何をしても泣くという日も多く、どうしたらよいかわからず、心身ともに疲れてストレスが溜まってしまいます。そのストレスが解消されないまま育児を続けると最後にはノイローゼやうつ状態になってしまいます。その結果、育児をまともにできなくなり、育児放棄となってしまうのです。

 

自分の子供が好きになれない

「「子供嫌いな人でも我が子は違うよ。生んだら絶対に可愛いと思うよ!」と周囲から言われて生んでみたものの、どうしても可愛いと思えない。そんな私は母親失格なの?」世の中にはこのような女性もいます。そんな女性がいてもおかしくないのです。特に望まない妊娠をした人に多いようです。または再婚した時の連れ子という場合や、子供が難病や障害を持つことが原因でも、自分の子供を好きになれないことがあるようです。

 

自分もネグレクトを受けていた

自分も虐待を受けていたために、育児に関して良いイメージができないということも原因としてあります。加えて、自分が育児されてこなかったからどうしたらよいか分からないという理由もあります。

 

相談できる人が近くにいない

実家が遠い、パパの転勤で知り合いが誰もいない土地に引っ越してきたなど相談相手となる人がいないことも原因となります。「ちょっと子供を預けたい」と思っても預けられないですし、お金を払ってまで子供を預けることに躊躇してしまい、一人で何もかも抱えこみやすくなります。

 

これらのどれか一つに当てはまるというわけではなく、複数の要因が絡み合っている場合もあります。

 

母親だけど、自分の子供が好きになれない…日本の社会風潮がそうさせている

子供より猫が好き、子供よりパパが大切、そういうママもいます。もちろん、生んだ以上は育てるのが親の責任であることもわかっているはずです。

しかし、子供に愛情を注げるかどうかは別問題なのです。「一番大事なのは自分の人生だ!」そんなこと周りに言えるママなんてほとんどいません。それがネグレクトを誘発しているのかもしれません。

女性だから子供好き、育児が得意なわけじゃないのです。しかし社会的に、「男性が外で働き、女性は子育てをする」という考えが根強いから、女性が仕事を辞めて家庭に入る人が多いのです。「母親だから」「母親のくせに」と言う言葉は、時にママを無力化させ、ネグレクトを誘発させる要因になるということをしっかり覚えておかなければなりません。

 

「子供は3歳までは母親が育てる」という、いわゆる3歳神話をご存知ですか?

幼少期に母親の存在はとても大きいことは事実です。しかし、子育てはママ一人が頑張るものではありません。子育ては本当に大変で、時にとても辛いものです。そんな時は周りの人に頼るべきなのです。

ママが一番頼りたい、頼りやすい存在はパパです。しかし、パパだって毎日仕事で神経も体力も使ってクタクタなのに、子育てまで抱えきれないと不満を持っていたりはしませんか?

ママには懐いているけれど、自分には懐いてくれない子供を一人で任されることに不安を感じるパパもいるでしょう。でもそれは単純に接触時間の短さによるものかもしれません。パパ一人で見る時間を増やすことで解消されてきます。

でも、子育てはパパ一人が頑張らなければならないものでもありません。近年は核家族化が進み、近所づきあいが薄れていますね。隣のおばさんにちょっと子供を見ていてもらうなんてことできる環境は都会ではほとんどないのではないでしょうか?

子供が悪さをしたら叱りつける大人はグッと少なくなっていますよね。テレビアニメでよく出る空き地の隣に住んでいる雷親父みたいなおじさんのことです(笑)。世話焼きおばさんもなかなかいませんよね。「なるべく面倒なことには関わらないでおこう」という社会風潮が育児をする人間を孤立させるのではないでしょうか。

子供は社会全体で育てるもの、そういう風潮が世の中にあらわれればネグレクトの人はかなり減少するはずだと思うんですが。

 

子供を好きになれない人は親失格?

もともと子供が好きではない、生まれた時は愛情があったが子育てするうちになくなったなどさまざまでしょう。

ママだから、パパだからといって必ずしも愛情を持てるわけではありません。しかし、社会的には、子供に愛情が持てないと言うと自分が親失格だというレッテルを貼られるような気分にさせられます。

しかし、子供を好きな人=良い親=良い人間ではないのです。

子供に愛情深く接している人が、躾だと子供を何度も殴りつけたら、子供を学校へ行かせず家に閉じ込めていたら、それでも良い親だと言えますか?

子供が好きだからといって許されるものではありません。愛情が持てなくても育児をしっかりしている人のほうが良い親なのではないでしょうか。そもそも誰のために「良い」のかを考える必要があります。

全ては子供にとって「良い」かどうかなのです。良い親とは子供を自立できるよう育て上げる親のことではないでしょうか。

ママであれ、パパであれ子供を好きになれないのであれば、無理に好きになる必要はないのです。子供の成長と共に「子育てって面白い」と感じるかもしれませんし、「こういう人間なんだ」とその子を受け入れるようになるかもしれません。大切なのは、どのような育児、子供の接し方をしたらよいか対応を考え行動することなのです。

 

パパに何ができる?

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良く聞いてあげることが心を落ち着かせる

ママの表情が暗い、子供の話をしたがらない、突然泣き出す、子供をひどく叱るなどママの異変に気づいていますか?

ネグレクトをしてしまう前に必ず何らかの異変が起きます。それがママからのSOSなのです。

パパも仕事で疲れて帰ってきているでしょうが、ママのSOSをしっかりとキャッチしましょう。そして何ができるか、考えてみましょう。

話を聞く

ママはパパに心配かけまいと我慢してしまいがちです。何から話していいか分からず、話がまとまっていないこともあるでしょう。話を聞いても、「それは違うんじゃないか?」「こうしたらどうか?」などの意見は言わず、まずはしっかり話を聞いてあげましょうそして、ママが特に疲れていると感じたら、その部分を補ってあげましょう。

たとえば、夜泣きで全然寝れていないようなら、まずは一日だけでもパパがママに代わって夜泣きの対応をしましょう。

育児で全く家事ができないようなら、「ご飯はお惣菜、食器洗いと洗濯は夜パパがしておく、掃除は週末一緒にしよう」など少しでもママの負担を軽くする言葉をかけてあげてください。

 

子供から一時的に距離を置く

「子供が可愛いと思えない」「子供ができる前の生活に戻りたい」というような言動があらわれているなら子供と一時的に距離を置くことも良いかもしれません。

一週間ほどおじいちゃんおばあちゃんの家で預かってもらう、日中は一時保育を利用する、ヘルパーさんに来てもらうなど方法はあります。もちろん費用はかかってきますが、ママが育児で疲れ切っているようなら必要な出費だといえるのではないでしょうか?

心が弱ってしまった時は、少しの間でも子供のいない時間を作ってあげることで、一気に症状が良くなることも多いです。

 

一日でも早く行動する

ネグレクトや虐待は少しずつ進行し、だんだん強度を増していきます。

ところが本人たちはその生活が習慣化してしまうため、なかなか気付けません。ネグレクトの問題点は「親に罪悪感がない」場合が多いことです。

ちょっとだけ、ついうっかりといった子供より自分を優先させるあまり、気付いたときには不幸な結果を迎えてしまうケースがあります。「今日のママは少し疲れているだけ。もう少し様子を見よう。」と悠長なことを言っていては遅いのです。

ママの異変に気付いたら一日でも早く行動に移すことが大切なのです。

 

児童相談所や自治体に相談する

ママと子供の関係が明らかにおかしい場合は躊躇することなく児童相談所や自治体に相談しましょう。「家庭の問題だから…」とパパが一人で抱え込んでしまっては、今度はパパが疲弊してしまいます。

また、身近な人には相談できないことでも他人であればかえって話しやすいこともあるのではないでしょうか。

 

まとめ

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育児放棄(ネグレクト)は今や深刻な社会問題となっています。子供は自分の思い通りに育ってくれません。なかなか寝てくれない、泣き止まない、反抗ばかりする、偉そうな態度をとる、イライラしてしまうことは数えきれないくらいあります。子供の人数が多ければそれだけ大変さも増すでしょう。

パパは丸一日家事育児をするケースは少ないのではないですか?ぜひ、ママに代わって一日でも体験してください。出来れば何度もママの代わりをしてあげてください。

ママは毎日繁忙期のごとく動き続けています。ご飯は子供の残り物だったり、子供が乳幼児の場合夜中もベッドでゆっくり寝ることを許されない生活が何日も続くのです。

お給料をもらえるわけでもなく、褒められることもほとんどありません。パパは嫌いな上司との接待があっても温かくて美味しいご飯を食べることができますよね。叱られ理不尽な思いをさせられることもあるでしょうが、それらはお給料として返ってきますよね。

報われる思いがなかなかないのが育児です。パパの抱っこで子供が泣くようなら「ママじゃなきゃダメだって~。」と諦めるのではなく、外に出て気分転換させてみるなど試行錯誤してみてください。

日中ママは「子育て代わって!」と言えません。もちろんパパだって大変な思いをして仕事をしてくれていることをママは分かっています。だからこそ、パパに「一時保育を利用したい」「休みがほしい」など愚痴をこぼして困らせてはいけないと育児の大変さを抱え込んでしまうのです。

ママが家庭に入り家事育児をすべて1人でこなさなければいけないわけではないのです。

しかし日本の社会風潮がまだまだ「女性は家庭」というところがあるので、子供がもともと好きでない女性や家事が得意でない女性は育児放棄に陥りやすくなります。他にも、貧困や精神障害など育児放棄をしてしまう原因はたくさんあります。そのように育児放棄をされた子供は、友達付き合いが苦手、低身長になりやすい、知的発達に問題が出るなどの影響を受けてしまう可能性があります。

自分の子供を好きになれないママもパパもいるでしょう。子供を無理に好きになる必要はありません。どんな育児、子供の接し方をしたらよいか対応を考え、行動することが大切なのです。

自分の子供を好きになれないと嘆いているママは「自分は母親失格だ」と思い込んでいるかもしれません。そうではないとパパがサポートしてあげてください。ママの様子次第では、子供と一時的に距離を置く、児童相談所や自治体に相談するという決断を下さなければならない時もあるかもしれません。

そんな時は「ママなら乗り切れる」と信じたい気持ちは分かりますが、放っておいて悲しい結果になってしまわないよう勇気を出して早めに行動してください。

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