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「パパママ育休プラスって、結局なにがプラスされるの?」
「夫婦で育休を取るつもりだけど、うちは対象になるのかよくわからない」

夫婦それぞれが育休を考え始めると、こうした疑問にぶつかる家庭は多いです。名前から「育休が長くなる制度」と思われがちですが、実際には少し違います。しかも「産後パパ育休」と名前が似ているため、混同しやすい制度でもあります。

この記事では、厚生労働省の公式ページで確認できた内容をもとに、パパ・ママ育休プラスのしくみ、使える条件、期間の考え方、産後パパ育休との違い、給付金の申請で気をつけることを整理します。夫婦でスケジュールを話し合うときの材料にしてください。

結論:休める「期間の長さ」ではなく「休める時期の幅」が広がる制度

先に結論をまとめます。

  • パパ・ママ育休プラスは、両親がともに育児休業を取る場合に、育休の対象となる子の年齢を原則1歳未満から、原則1歳2か月未満まで延ばす特例です。
  • ただし、1人が取れる育休の長さは最大1年間のまま。出産した女性の場合は、出生日以後の産後休業期間と合わせて1年間です。
  • 使うには、3つの要件をすべて満たす必要があります。

つまり「1人あたりの育休が1年2か月に増える」わけではありません。「子どもが1歳を過ぎても、1歳2か月になるまでの間なら育休を続けられる」ように、休める時期の枠が後ろに2か月広がると考えるとわかりやすいです。

パパ・ママ育休プラスを使うための3つの条件

厚生労働省の育児休業制度特設サイトでは、次の3つをすべて満たすことが要件とされています。ここでの「本人」は、パパ・ママ育休プラスを使って1歳以降も休みたい人のことです。

  1. 配偶者が、子の1歳到達日(1歳の誕生日の前日)以前に育児休業をしていること(産後パパ育休も含む)
  2. 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
  3. 本人の育児休業開始予定日が、配偶者の育児休業(産後パパ育休を含む)の初日以降であること

わかりにくいのは3つ目です。かんたんに言うと、後から休み始める人が、1歳2か月まで延ばせるということです。

たとえば、ママが産後休業のあとそのまま育休に入り、パパが途中から育休を始める場合は、後から始めたパパが対象になりやすいかたちです。反対に、パパが先に休み始めていれば、ママの側が対象になることもあります。条件2・3には「産後パパ育休を含む」とあるので、出生直後にパパが産後パパ育休を取っていれば、それも「配偶者の育休の初日」として数えられます。

なお、労使協定で次の人を対象外にしている職場もあります。

  • 継続して雇用されている期間が1年未満の人
  • 申出の日から1年以内に雇用関係が終わることが明らかな人
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の人

自分が当てはまるかどうかは、勤務先の就業規則や人事担当で確認しておくと安心です。

期間の考え方:どんな使い方ができるか

パパ・ママ育休プラスは、次のような家庭で役に立ちます。

  • ママの職場復帰に合わせて、パパが育休を取りたい家庭
  • 保育園の入園や慣らし保育が、子どもの1歳の誕生日より後になる家庭
  • 夫婦で時期をずらして、交代で子どもを見たい家庭

たとえば、ママが子どもの1歳の誕生日の前日まで育休を取り、パパがそれより前のどこかの時期から育休を始めて、1歳2か月になる前まで休む、という組み合わせです。ママが仕事に戻ったあとの、生活が大きく変わる時期にパパが家にいられるので、慣らし保育の送り迎えや、急なお迎えに対応しやすくなります。

ただし、ここでも上限は1人あたり1年間です。本人の育休期間が1年を超えるような組み方はできません。「いつからいつまで休むか」は、子どもの誕生日と夫婦それぞれの休み始めの日から逆算して決めましょう。

項目 通常の育児休業 パパ・ママ育休プラスを使う場合
対象となる子の年齢 原則1歳未満 原則1歳2か月未満
1人が取れる期間の上限 1年間 1年間(変わらない)
条件 本人が育休を取る 両親がともに育休を取り、3つの要件を満たす

産後パパ育休との違い

名前が似ていますが、2つはまったく別の制度です。

項目 産後パパ育休 パパ・ママ育休プラス
どんな制度か 子の出生後8週間以内に、通算4週間(28日)まで取れる休業 両親とも育休を取る場合に、育休の対象となる子の年齢を1歳2か月未満まで延ばす特例
使う時期 出産直後 子どもが1歳前後になるころ
申請の考え方 産後パパ育休として申し出る 育児休業を申し出るときに、条件を満たしているかを確認する

産後パパ育休は「出産直後」を支えるための休業で、パパ・ママ育休プラスは「1歳前後の時期」の休み方の幅を広げるための特例です。どちらかを選ぶものではなく、産後パパ育休で出産直後を支え、ママの職場復帰のころにパパ・ママ育休プラスを使って改めて育休を取る、という組み合わせもできます。

産後パパ育休と通常の育休の違いについては、産後パパ育休と育休の違いは?取れる期間・分割・給付金をわかりやすく整理で詳しくまとめています。

給付金と申請で気をつけること

雇用保険に入っていて条件を満たす場合、育休中は育児休業給付金を受け取れます。金額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業の開始から181日目以降は50%)」で計算されます。パパ・ママ育休プラスを使う場合は、給付の対象となる子の年齢の上限が「1歳」ではなく「1歳2か月」になります。なお、産後パパ育休中に受け取る出生時育児休業給付金の支給日数は、67%が適用される180日に通算されます。

2025年4月から始まった「出生後休業支援給付金」

子の出生直後の一定期間内に、本人と配偶者がそれぞれ通算14日以上の育休(産後パパ育休を含む)を取ると、最大28日間、休業開始時賃金日額の13%相当額が「出生後休業支援給付金」として上乗せされます。育児休業給付金などと合わせて、給付率は80%(手取りで10割相当。上限額あり)になります。

  • 対象になる期間は、子の出生日から8週間(産後休業をした場合は16週間)を経過する日の翌日までです。
  • 配偶者がいない場合や、配偶者が働いていない場合などは、配偶者の育休がなくても対象になる例外があります。ただし、配偶者が仕事の都合で育休を取らないだけの場合は、例外に入りません。
  • この上乗せは出生直後の期間だけが対象で、1歳以降のプラス期間には付きません。

両方を活かすなら、出生直後にパパが産後パパ育休を14日以上取り、ママの職場復帰に合わせてパパがもう一度育休を取るという組み合わせが考えられます。要件の細かい確認は、勤務先やハローワークでしてください。

申請で必要になるもの

申請では、1歳から1歳2か月になる前日までの期間(いわゆるプラス期間)にかかる支給申請をするときに、配偶者の育休について書く必要があります。ハローワークの案内では、主に次のものが挙げられています。

  • 支給申請書の「配偶者の育児休業取得の有無」「配偶者の雇用保険被保険者番号」欄の記入(配偶者が公務員などで雇用保険の被保険者でない場合は、番号の記入は不要)
  • 続柄が記載された世帯全員の住民票の写し
  • 配偶者の育休取得を確認できる書類(配偶者の雇用保険被保険者番号で確認できる場合は不要)

必要書類は職場やハローワークによって案内が異なることもあるので、育休の申出をするときに「パパ・ママ育休プラスを使う予定です」と人事担当に伝えておくとスムーズです。

使う前に夫婦で話し合っておきたいこと

制度を上手に使うには、休み始める前の準備が大切です。次の点を夫婦で話し合っておくと、スケジュールが決めやすくなります。

  • ママ(パパ)の職場復帰はいつごろか:復帰の日が決まれば、もう一方が休むべき時期が見えてきます。
  • 保育園の入園時期と慣らし保育の期間:入園が1歳の誕生日より後になる場合、プラス期間が役に立つことがあります。
  • どちらが先に休み始めるか:3つ目の要件があるため、休み始める順番によって、どちらが1歳2か月まで延ばせるかが変わります。
  • それぞれの職場の制度:労使協定で対象外になる人がいないか、申出の期限はいつかを確認します。

「誰がいつ休むか」を表やカレンダーに書き出してみると、要件を満たしているかどうかを夫婦で一緒に確認しやすくなります。

まとめ

  • パパ・ママ育休プラスは、両親がともに育休を取る場合に、育休の対象となる子の年齢を原則1歳2か月未満まで延ばす特例。
  • 1人が取れる期間は最大1年間のまま。長くなるのは「休める時期の枠」。
  • 使うには、配偶者が1歳到達日までに育休を取っている/本人の開始が1歳の誕生日以前/本人の開始が配偶者の育休初日以降の3つをすべて満たす必要がある。
  • 産後パパ育休とは別の制度なので、組み合わせて使える。
  • 給付金の申請では、プラス期間にかかる申請のときに配偶者の育休についての記入や書類が必要になる。

制度のしくみがわかると、「ママの復帰に合わせてパパが休む」といった選択肢がぐっと現実的になります。まずは夫婦で復帰の時期と保育園の予定を共有し、勤務先にも早めに相談してみてください。


参照した公式ページ

※2026年10月時点の情報です。制度は改正されることがあるため、最新の情報は上記の公式ページや勤務先、ハローワークでご確認ください。