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「産後パパ育休と普通の育休って、何が違うの?」
「どっちを取ればいいのか、両方取れるのかがよくわからない」

出産を控えたパパや、これから職場に相談しようとしているパパから、こうした声はとても多く聞かれます。制度の名前が似ているうえに、ここ数年で仕組みが何度か変わったため、混乱するのも無理はありません。

この記事では、厚生労働省の公式ページで確認できた内容をもとに、産後パパ育休(出生時育児休業)と育児休業の違いを、期間・分割・申出の期限・休業中の働き方・給付金の5つの視点で整理します。読み終わるころには、「自分の家庭ならどう組み合わせるか」を考えられるようになるはずです。

結論:2つは「別の制度」で、両方取れる

先に結論をまとめます。

  • 産後パパ育休は、子どもの出生後8週間以内に、通算4週間(28日)まで取れる休業。2回に分けて取得できる。
  • 育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取れる休業。こちらも2回に分けて取得できる。
  • 産後パパ育休は、1歳までの育児休業とは別に取得できる制度。どちらか一方を選ぶのではなく、組み合わせて使える。

つまり「産後すぐの大変な時期は産後パパ育休でサポートし、そのあとに改めて育休を取る」といった使い方ができます。

違い1:取れる期間と日数

いちばん大きな違いは、取れる時期と長さです。

項目 産後パパ育休 育児休業
取れる時期 子の出生後8週間以内 原則、子が1歳に達するまで
長さ 通算4週間(28日)まで 上記の期間内で取得
延長 なし 保育所に入れないなど特別な事情があれば、最大2歳まで

産後パパ育休は「出産直後」に特化した制度です。出産した女性は、通常この期間は産後休業中のため、産後パパ育休の対象は主に男性になります(養子の場合などは女性も対象)。

産後8週間は、ママの体の回復がまだ途中で、赤ちゃんのお世話も昼夜を問わず続く時期です。上の子がいる家庭なら、送り迎えや食事の準備も重なります。この時期にパパが家にいられるかどうかで、家庭の回り方は大きく変わります。

一方、育児休業はもっと長いスパンで使える制度です。また、両親がともに育児休業を取る場合は「パパ・ママ育休プラス」という仕組みがあり、子が1歳2か月に達するまで、出生日以後の産前・産後休業、育児休業、産後パパ育休の期間を合計して1年以内の休業ができます。

違い2:分割の仕方と申出の期限

どちらも2回に分けて取得できますが、申し出のルールが違います。

産後パパ育休
– 子1人につき2回まで分割できる
– 2回に分けて取る場合は、1回目の申出のときにまとめて申し出る必要がある
– 申出は休業開始予定日の2週間前まで(労使協定を結んでいる場合は、最大1か月前まで)

育児休業
– 子1人につき原則2回まで分割できる(2022年10月から、男女ともそれぞれ2回に分けて取れるようになりました)
– 申出は休業開始予定日の1か月前まで(1歳以降の育児休業は2週間前まで)に、書面などで事業主に行う

ポイントは、産後パパ育休を分けて取りたいなら、最初の申出の時点で2回分の予定を決めておく必要があることです。出産予定日がずれることも見越して、

  • 退院の時期に合わせて1回目
  • 里帰りから戻るタイミングや、1か月健診のあたりに2回目

といったように、夫婦で「どの時期にパパがいると助かるか」を先に話し合っておくとスムーズです。

違い3:休業中に働けるかどうか

産後パパ育休には、育児休業にはない特徴があります。それは、休業中に一定の範囲で働けることです。

労使協定で産後パパ育休中に就業できると定められている場合、本人が申し出ることで、一定の条件のもとで就業できます。

「どうしても外せない会議が1日だけある」「月末の締め作業だけは自分が対応したい」といった事情があっても、休業そのものをあきらめずにすむのは大きなメリットです。

ただし、働きすぎると給付金の対象から外れる可能性がある点には注意が必要です。産後パパ育休を28日間取得する場合、給付金の対象となる就業は10日(10日を超える場合は80時間)まで。取得日数がこれより短い場合は、それに比例した日数・時間数になります。

また、就業できるかどうかは勤務先の労使協定しだいです。「休業中に少し働きたい」と考えている場合は、まず職場に制度があるかを確認しましょう。

違い4:給付金のしくみ

休業中は、条件を満たせば雇用保険から給付金が支給されます。

産後パパ育休の場合
– 休業開始時賃金日額の67%相当額の出生時育児休業給付金

育児休業の場合
– 休業開始時賃金日額の67%相当額(支給日数が181日目以降は50%)の育児休業給付金

さらに、2025年4月からは出生後休業支援給付金という制度が始まっています。子の出生直後の一定期間内に、原則として両親がともに14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間、休業開始時賃金日額の13%相当額が上乗せされます。67%と合わせると給付率は80%となり、厚生労働省は「手取りで10割相当」と説明しています。

「両親ともに」が原則ですが、配偶者が専業主婦(夫)などで働いていない場合や、自営業・フリーランスの場合、配偶者が産後休業中の場合などは、配偶者が育児休業を取っていなくても対象になります。自分のケースが当てはまるかは、厚生労働省の「出生後休業支援給付の簡易診断」で確認できます。

なお、育児休業中は、申出により健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。手取りへの影響が気になる場合は、厚生労働省の「産休・育休中の経済的支援 かんたん試算ツール」で目安を計算してみるのもおすすめです。

どう組み合わせる?考え方のヒント

制度の違いがわかったところで、実際にどう使うかを考えてみましょう。家庭の状況によって正解は変わりますが、次のような考え方があります。

パターン1:産後すぐに集中してサポートしたい
産後パパ育休で、退院直後から2〜4週間休む。ママの体の回復と、生活リズムづくりを一緒に担う形です。

パターン2:産後と、ママの職場復帰前後の2段階で休みたい
産後パパ育休で産後すぐをサポートし、ママが仕事に戻るタイミングで改めて育児休業を取る。保育園の慣らし保育の時期など、生活が大きく変わるタイミングにパパがいられると安心です。

パターン3:仕事の都合でまとまった休みが取りにくい
産後パパ育休を2回に分けて取る、または労使協定があれば休業中の一部就業を活用する。「ゼロか100か」ではなく、取れる形を探すという考え方です。

どのパターンでも大切なのは、夫婦で「いつ、何に困りそうか」を先に話し合うことです。産後のママが一番つらい時期、上の子のケアが必要な時期、家事が回らなくなりそうな時期を書き出してみると、パパが休むべきタイミングが見えてきます。

職場への相談は、申出の期限よりも早めに始めるのがおすすめです。業務の引き継ぎを準備する時間ができるだけでなく、周囲の理解も得やすくなります。

まとめ

  • 産後パパ育休は「出生後8週間以内に最大4週間」、育児休業は「原則1歳まで」。別の制度なので両方取れる。
  • どちらも2回に分割できるが、産後パパ育休は1回目の申出でまとめて申し出る必要がある。
  • 申出の期限は、産後パパ育休が2週間前まで、育児休業が1か月前までが原則。
  • 産後パパ育休は、労使協定があれば休業中に一定の範囲で働ける。
  • 給付金は67%が基本。両親がともに14日以上休むなどの条件を満たすと、出生後休業支援給付金で給付率が80%になる。

制度は「知っているかどうか」で使い方の幅が大きく変わります。まずは夫婦で産後のスケジュールを話し合い、勤務先の就業規則や担当窓口にも早めに確認してみてください。


参照した公式ページ

※2026年10月時点の情報です。制度は改正されることがあるため、最新の情報は上記の公式ページや勤務先でご確認ください。