「俺には関係ない」と思っていた、あの頃の自分に言いたい
育児ノイローゼ、という言葉を聞いたとき、最初は「ママが追い詰められる話」だと思っていた。恥ずかしながら、正直そう思っていた。でも妻の出張が増えて、3人の子供を一人で見るようになってから、その認識は完全に崩れた。
洗濯を回しながら朝食を作り、子供を送り出して、帰宅後に夕食の準備。それが毎日続くと、じわじわと心が削られていく感覚があった。「これが毎日続くのか」という重さは、やってみて初めて分かるものだった。
育児ノイローゼとは?まず知っておきたい基本
育児ノイローゼとは、育児のストレスや疲労が積み重なることで、精神的・身体的に不調をきたした状態のことを指す言葉として使われることが多い。医学的な正式診断名ではなく、育児疲れが限界に達した状態を総称した表現として広く使われている。
かつてはママ特有の問題とされがちだったが、近年は育児に関わるパパも同様の状態になるケースが増えていると言われている。「育児に参加しているつもり」の人ほど、気づかないうちに限界に近づいていることもある。
こんなサインが出たら要注意。育児ノイローゼの主な症状
育児ノイローゼの状態になると、心と体のさまざまな場所に変化が現れてくることが多い。「最近なんか変だな」と感じたら、以下のような点をチェックしてみてほしい。
- 子供の泣き声や行動に、以前より強く苛立つようになった
- 何もする気になれず、無気力な時間が続く
- 眠れない、または逆に起き上がれないほど眠い
- 食欲がなくなった、または逆に食べすぎてしまう
- 「もう全部やめてしまいたい」という気持ちが頭をよぎる
- 子供に対して感情的になり、後から強く自己嫌悪を感じる
自分もワンオペで追い詰められていたとき、子供が何度もおかわりを求めてくるだけで、ピリッとした感情が湧いてきたことがあった。「こんなことで…」と自分を責めたが、あれは明らかに限界のサインだったと思う。
パパが陥りやすい「見えない育児ノイローゼ」
パパの育児ノイローゼが厄介なのは、「気づかれにくい」という点だ。仕事もしながら育児もこなしていると、周囲から「頑張ってるね」と言われる。でもその言葉が、逆に「弱音を吐いてはいけない」というプレッシャーになることもある。
妻が出張中、子供たちに「パパ大丈夫?」と聞かれたことがある。子供に心配させていたのか、と気づいたとき、自分が相当いっぱいいっぱいだったことを認めざるを得なかった。限界を認めることが、回復への第一歩だと今は思っている。
育児ノイローゼへの向き合い方。一人で抱え込まないために
育児ノイローゼの予防や改善に向けて、できることから少しずつ取り組んでみてほしい。特別なことは必要ない。まずは「一人で全部やらなくていい」と自分に許可を出すことが大切だ。
- 「完璧な育児」を手放す:夕食が冷凍食品でも、洗濯が翌日になっても、子供は育つ。完璧を目指すと心が折れる。
- 誰かに話す:パートナー、親、友人、どんな相手でも「しんどい」と口にするだけで少し楽になれる。
- 自治体の相談窓口を使う:多くの市区町村に育児相談や家事サポートの窓口がある。使うことは「負け」じゃない。
- 一人の時間を意識的に作る:子供が寝た後の10分でも、自分だけの時間を確保すると気持ちがリセットされやすい。
- 症状が長引くなら専門家へ:気分の落ち込みや不眠が続くなら、かかりつけ医や心療内科への相談を検討しよう。
やってみて気づいた。妻が守ってきたものの大きさ
ワンオペ育児を繰り返す中で、改めて気づいたことがある。妻はこれを、ずっとやってきていたんだ、ということだ。出張から帰ってきた妻に「お疲れ様」と言うようになったのは、自分が同じ立場に立ってからだった。
そして、自分の母親のことも思う。スマホもネットも育児書も今ほど充実していない時代に、どうやって育てたんだろう。頭が下がる思いと同時に、素直にありがたいと感じるようになった。
子供たちは今、中学生と小学6年生になった。あのバタバタした日々があったから、今の関係がある気がする。大変だった時間も、振り返れば宝物になっていく。でも、しんどいときに無理するのは違う。追い詰められたら、ちゃんと声を上げていい。それがパパにも言える、育児ノイローゼへの一番の向き合い方だと思っている。
子育てパパ.com編集部
Photo by Kris Len Lu on Unsplash
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